お風呂上がり、鏡に映った自分をなんとなく横から見て、あれ、と思う。一人目のときは、しばらくすれば戻った気がした。でも二人目の後は、下腹のあたりや腰まわりが、以前とは違うところで止まっているような感じがする。
ズボンのボタンがすっと閉まらない。抱っこすると腰の片側だけがだるい。産前のスカートをはこうとして、ウエストの位置が微妙に合わなくて、そっとクローゼットに戻す。そんな小さな瞬間が積み重なって、もう戻らないのかもしれない、と心のどこかで思い始めていませんか。
先に、ひとつだけお伝えさせてください。あなたは、なにも間違っていません。二人目だと戻らない、年齢のせいで仕方がない、そういう話ではないのです。
📋 この記事でわかること

出産の後、身体が変わったと感じるとき、多くの方が原因を自分の内側に探してしまいます。二人目を産んだせい。もう若くないせい。ケアをサボったせい。でも、少し立ち止まって考えてみたいのです。回数を重ねたことそのものが、戻らない理由になるのでしょうか。
妊娠中、身体は赤ちゃんを迎えるために、骨盤まわりの関節や筋肉をゆるやかにゆるめていきます。これはとても自然で、必要な変化です。問題はゆるんだことではなく、産後にその位置や使い方がなんとなくズレたまま、日々の育児が始まってしまうこと。
二人目の産後は、ここに事情が重なります。生まれたばかりの赤ちゃんを抱えながら、上の子の抱っこもある。ゆっくり座って休む時間より、片手で抱いて、片足に重心をかけて、身体をひねって上の子に応える時間のほうが長い。

ここで、視点をひとつだけ変えてみませんか。産後の身体を、どれだけ元の体重に近づいたかだけで見ると、数字が動かない日にがっかりしてしまいます。でも本当に見てあげたいのは、体重の増減よりも、骨盤まわりが元の位置に戻れているかどうか、という点です。
骨盤は、上半身と下半身をつなぐ、身体の土台のような場所です。ここが左右に傾いたり、前や後ろに倒れたままだったりすると、その上に乗っている背骨も、それを支えるおなかや腰の筋肉も、傾いた土台に合わせた立ち方・歩き方を覚えてしまいます。
すると、おなかがぽっこり前に出て見えたり、腰の反りが強くなったり、片方のお尻だけが張ったりする。これは脂肪が急に増えたというより、土台がずれた場所で身体を支えている状態です。

クセと聞くと、直しにくいもの、根性で我慢するもの、というイメージがあるかもしれません。でも、身体のクセはもっと素直です。
たとえば、いつも同じ側で抱っこをしていると、その姿勢を支える筋肉ばかりが働き、反対側はお休みしたままになります。片方だけが硬くなり、片方だけがゆるむ。この左右差が、骨盤まわりの傾きとして積もっていきます。
これはあなたの身体が悪くなったのではありません。毎日をがんばって乗り切るために、身体が今いちばん使いやすい形に合わせてくれただけ。とても健気な反応です。
理学療法士監修の研修を卒えたトレーナーがこうした産後の身体を見るとき、まず探すのはあなたのどこが足りないかではありません。どの筋肉がお休みしていて、どの動きのクセが上書きされているか、です。責める場所ではなく、戻す場所を一緒に見つけていく、という感覚に近いのです。

位置がずれているかどうかは、特別な機械がなくても、日々の中に手がかりがあります。思い当たるものはありませんか。
これらは、あなたの身体が今こういう位置で支えていますよ、と教えてくれているサインです。悪い知らせではなく、どこを戻せばいいかを示してくれる道しるべのようなもの。責める材料ではなく、戻すためのヒントとして受け取ってあげてください。
大切なのは、こうしたサインを衰えた証拠と読まないことです。むしろ、身体はいまも一生懸命、あなたの毎日を支えようとしている。その支え方の向きを、少しだけ本来へ戻してあげればいいのです。

早く戻したい気持ちが強いほど、いきなり激しい運動や、きついおなかの引き締めから始めたくなります。でも、傾いた土台の上でいくら鍛えても、ずれた位置のまま筋肉が育ってしまい、かえってクセを強めてしまうことがあります。
順番としては、次のような流れです。
まず硬くこわばったところをゆるめて、身体にもう力を入れっぱなしにしなくて大丈夫と伝える
お休みしていた筋肉にそっと出番をつくり、骨盤まわりを本来の位置で支えられるようにしていく
土台が整ってから、日常の動きの中でその位置を身体に覚え直してもらう
この順番で進めると、無理な頑張りをしなくても、身体は自分のペースで元の位置へ帰ろうとします。焦って階段を駆け上がるのではなく、ずれた分だけ、ていねいに戻していく。二人目の育児のさなかでも続けられるのは、こうした戻すやり方のほうです。
努力の階段を、一段でも高く登らなければ戻れない。そう思い込むと、育児で疲れ切った身体には、その一段がとても重く感じられます。でも、位置を戻すという考え方は、階段を登る話ではありません。傾いた土台を、元の水平に戻していく話です。
ゼロから新しい自分を作るのではなく、産む前まで確かにあった、あの立ち姿を取り戻していく作業です。
二人目の後こそ、と言いたいのには理由があります。一度めの産後を経験しているあなたは、自分の身体が変わる感覚も、少しずつ戻っていく感覚も、すでに知っています。その体感があるからこそ、どこがずれているのかに気づきやすい。戻り方を一度知っている身体は、方向さえ合っていれば、ちゃんと応えてくれます。
大切なのは、いきなり激しく動くことでも、たくさんの時間を確保することでもありません。今の身体がどの位置にいるのかを知り、そこから一歩ずつ、土台を戻していくこと。順番さえ合っていれば、身体は思っているよりも素直です。
ここまで、位置を戻すという考え方をお伝えしてきました。では、その順番を、二人目の育児のさなかでどう続けていけばいいのか。ここからは、産後の身体と向き合ううえでTOKIELがどんな場所なのかを、正直にお話しさせてください。
TOKIELは、完全会員制・完全予約制のパーソナルジムです。予約制だからこそ、あなたの時間に他の人が入り込むことはありません。今のあなたの身体がどの位置にいるのかを、じっくり一対一で見る時間を確保できます。
担当するのは、採用倍率50倍という関門をくぐり抜けたトレーナーだけ。さらに理学療法士監修の研修を卒えているため、産後の骨盤まわりの変化や、抱っこで生まれる左右差といった身体のクセを、感覚ではなく根拠をもって読み取ります。まず探すのは、あなたのどこが足りないかではなく、どの筋肉がお休みしていて、どの動きが上書きされているか。責める場所ではなく、戻す場所を一緒に見つけていきます。
そして、二人目の後のお母さんにこそ知っていただきたいのが、来やすさへの配慮です。
前のジムで思うように成果が出ず、自分の身体はもう戻らないのかもしれないと感じて体験に来られる方は、少なくありません。けれど、位置のずれから見直して順番どおりに整えていくと、1〜2ヶ月ほどで立ち姿や身体の軽さに変化を感じ始める方がたくさんいらっしゃいます。これは激しく追い込んだ結果ではなく、傾いていた土台が本来の位置へ帰っていったからです。
がんばって別人になる場所ではありません。産む前まで確かにあった、あの立ち姿を、もう一度取り戻していく場所です。二人目の後の身体を、あなた一人で抱え込まなくて大丈夫です。
上の子を寝かしつけて、下の子の授乳を終えて、やっと訪れた静かな時間。そのわずかなすきまで、自分の身体のことまで完璧に管理しようとしなくて、大丈夫です。
戻らないのは、あなたのせいではありません。ただ、位置がずれて、その上に新しいクセが乗っただけ。だとすれば、順番にほどいて、順番に戻していけばいい。それだけのことです。
かつて、なんの意識もせずにすっと立てていた自分。写真の中で、自然に背すじが伸びていたあの頃の姿。それは遠い理想ではなく、あなたの身体が一度は覚えていた、本来の位置です。

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